特徴とレベルを押さえる
河合塾から出版されている「教科書だけでは足りない」シリーズの1つ.
この問題集は全3章で構成されていて,各章の内容は次のようになっています.
章 | 第1章 | 第2章 | 第3章 |
内容 | 用語の確認 | 例題+類題 | 力試し |
問題数 | なし | 28題×2 | 25題 |
メインとなるのは2章の”例題+演習”の部分になっており,全28題の例題は難関大学を受験する人なら解いておいた方がいい問題ばかりです.
というのも,整数の分野は教科書の内容と,入試問題のレベルギャップがとくに激しく,現役生は苦手意識を持つ人の割合が高い分野といえます.(※独自調べ)
一方で,“いくつかの定石”を抑えてしまえば,たまに出題される超難問を除けばそこまで難しい分野ではなく,寧ろ得点源になり得る分野でもあります.
この“いくつかの定石”というのが,この本の全28題に詰まっています.出典大学としては,東大や一橋大,東工大といった整数分野で難問(大数でいうC***~D)を出題する傾向の大学も多く含まれていますが,<解法メモ>と解答・解説が非常にわかり易いため,難問を解くのに必要な“背景に隠れている情報を見つけ出し,立式する能力”が養われると思います.
また,第3章の”力試し”に関しては,難問かつ良問が散りばめられているので,旧帝以上の大学を志望する理系受験生には是非とも挑戦してもらいたいです.
・難問を解くための”定石”が身に付く
・解法の視野が広がる
どんな人にオススメか?
オススメは次の2つのどちらかに当てはまる人です.
- 理系難関大志望者
- 数学が得意だけど”整数”だけがネックな人
ただ,ベースとして数学の基礎力が身についている前提で使用する参考書になるので,数学Aの授業後にすぐ扱うレベルではないので注意してください.
ガウス記号や数列,因数定理,無限級数など,学年を跨いだ内容の問題が出題されます.チャート式やNew Action Legendなどの網羅系参考書を解き終えて,一度大学の過去問に触れた段階で使用を検討するのがいいと思います.
難関大学受験者で,整数を特化したい人
使用時期と使用方法を考える
使用時期については,受験期の中期をオススメします.
具体的には先程も上げたように,一度赤本に触れて苦手が可視化された状態で挑んだ方が効果があると思います.赤本までは行かなくとも,全統模試やオープン模試などの結果を見て使用の検討をしたほうがいいと思います.
模試に関しては,9月〜11月が一番盛んな時期になりますので,分野別対策のための1冊として使用してください.
使用方法については,掲載されている問題が難しいことと,問題数が少ないこともあるので,繰り返し何度も解き,解法が自分のものになるまで演習をすることを推奨します.
整数問題独特の雰囲気に慣れ,記述力を付けた状態で1月2月の直前期を迎えたいところです.
一緒に読みたい参考書や問題集
・同レベル帯の問題集としては
などがあります。がしかし,上記の参考書は他分野の問題も含まれており,特化性に乏しいため,対策したい分野が決まっている場合は本書と同シリーズの「教科書では足りないシリーズ」の購入もオススメします.
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