
そもそも”地学”ってなんぞ?

高校理科といえば《物理・化学・生物》の3強なわけですが・・・
1つお忘れですよね?
そうです.みなさん大好き地学です!!
大半の公立高校では講座の開講すらされておらず,名前だけでギャグ要因として扱われてしまっている不遇な科目ですが…
そもそも,地学とはどんなことを学ぶのかご存知ですか?
教科書(啓林館)では全部で4つの単元に分けられています.
<単元>
・固体地球の外観と活動
・地球の歴史
・大気と海洋
・宇宙の構造
・・・
めっちゃマクロですやん!視点がマクロすぎる!!!
原子核とか中性子とかの話してるのが悲しくなるくらいマクロだ…
それにしても,内容めちゃめちゃ面白そうですよね.
化学でmol計算してるよりも,物理でモーメントの計算してるよりも一般生活には役に立ちそうなのになぜか日の目を全く浴びない科目なんですよね…
そんな面白い科目である地学ですが,この時期になると違う内容で話題に上がります
それが
共テの理科って地学が1番簡単なのでは?
という話題です.
それに対しては様々な意見があるわけですが,本当にオススメできるのかを過去の平均点推移であったり,共テ後の試験状況だったりを基にお話していこうと思います!!
理科の選択は諸君らに任されている

まもなく始める共通テストの申込みですが,理科については申込みで選択できるのは受験科目数だけ!!
共通テストー理科の受験方法選択
A:「理科①を受験する」
B:「理科②を1科目受験する」
C:「理科①を受験、理科②を1科目受験する」
D:「理科②を2科目受験する」
E:「受験しない」
のいずれかになります.
理科①とは?
「〇〇基礎」を2科目受験する方法のことです.
なので,文系受験生の大半はAを選ぶことになります.
理科②とは?
「基礎」がついていない科目のことです.
理系受験者が受験することになると思いますが,Bを選んでしまうと,1つしか受験することができません.
国公立志望者の大半は理科2科目選択が必須条件になると思うので,Dの選択になると思います.
・文系受験者はAを選択
・理系受験者はDを選択
なので,受験申込みの時点ではどの問題を解くかは決まっておらず,どの科目の問題を解くかは
受験当日に自分で決める
ことになります.
そういう意味で,まだ受験科目の変更は間に合うというわけです…
地学の平均点推移を見てみよう
地学基礎・平均点比較
年度 | 地学基礎平均点 | 化学基礎平均点 | 生物基礎平均点 |
2018 | 34.13 | 30.42 | 35.62 |
2019 | 29.62 | 31.22 | 28.20 |
2020 | 27.03 | 28.20 | 32.10 |
2021 | 33.52 | 24.65 | 29.17 |
2022 | 35.47 | 27.72 | 23.90 |
2023 | 35.03 | 29.42 | 24.66 |
地学・平均点比較
年度 | 地学平均点 | 化学平均点 | 物理平均点 |
2018 | 48.58 | 60.57 | 62.42 |
2019 | 46.34 | 54.67 | 54.94 |
2020 | 39.51 | 54.79 | 60.68 |
2021 | 46.65 | 57.59 | 62.36 |
2022 | 52.72 | 47.63 | 60.72 |
2023 | 49.88 | 54.01 | 63.39 |
この2つの結果から見えてくること…
①地学基礎は共通テストが始まった2021年頃から3年連続で平均点が高い.
⇨他教科に比べて難度が”高い”ことが予想できる
②地学に関しては平均点がほぼ毎年最下位
⇨他教科に比べると難度が”高い”ことが予想される

テストの平均点だけを追いかけてみると
地学基礎を選ぶことは受験生にとって有利に働く可能性がありそうですが
地学を選ぶことはリスクになる可能性があります.
「地学は簡単!」と言われている理由
地学が簡単と言われる理由として代表的なものが
計算問題と知識問題のバランスがいい
というものがありますが,2023年度の問題を見てみましょう!!
2023年地学基礎の問題はこちら
2023年地学の問題はこちら
計算問題に関しては,
地学基礎が1問・地学が2問
という出題数です.
これは・・・かなり知識偏重型な気がします.
なので物理のように計算をして確かめる作業があまり好きではない人にはオススメかもしれません.
ですが…暗記に特化した理科の科目選択を行うと生物・地学というなんとも歪な選択になります.
そのあたりは自分の得意・不得意と照らし合わせて考えましょう!!!
大学の個別試験について・・・

地学を選択するデメリットの1つに
大学の個別試験(2次試験)で出題されない
というものがあります.
確かに,個別試験の理科が1科目のみの出題となる大学(たとえば弘前大学や信州大学など・・・)では,
通常,地学の受験はありません!!
一方で,旧帝大や筑波大学のような個別試験で理科を2科目を要する大学は,地学が選択できる場合が多いので違う選択がそこまで不利にはならないかもしれません.
※阪大は地学受験なし.
※しかし,医学部などは地学受験を認めていなかったりするので,自分の志望校の受験科目をチェックしておくようにしてください.
参考サイトはこちら
なので,地学を第一選択科目(得意科目)として受験に挑むのはリスキー
まとめ
受験生がこの時期から受験科目を変更することはそもそもリスクの塊です.
なので,安易にはオススメできるものではありません.
しかし,文系受験生については地学基礎の共通テスト平均点が高く,内容がそこまで深くないことを考えると,今からのスタートでも間に合わないことはないかと思います…
くれぐれも判断は慎重に!!
ですが・・・

市場に参考書が全然出回ってないから勉強がし辛いし,
そもそも教えられる人も少ないから質問されても答えられないんだわ
ということで,1人で頑張り抜くという覚悟が決まった猛者は科目変更をすれば良いですが,
「物理が嫌だから」「化学が面倒くさいから」という安易な考えから地学に逃げると,
痛い目に遭うかもしれません・・・
色々考えると「物理・化学」「化学・生物」のいずれかの選択が無難で最適だと思われる
もう少しざっくり言うなら
現時点で未履修ならわざわざ変える必要はなし!!
ただ,文系の人の最終手段としてはアリ(の場合もある)
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