今回は、東大・京大をはじめとする難関大学を目指す受験生に人気の参考書、「鉄緑会 基礎力完成 数学I・A+II・B」について、徹底的に解説していきますね。
この本は、ただの基礎問題集ではありません。正しく使えば、皆さんの数学力を飛躍的に伸ばしてくれるでしょう。
1. どんな人が、いつ取り組むべき?
「鉄緑会 基礎力完成 数学I・A+II・B」は、数学の基礎を盤石にしたい人、特に計算の精度と速度を上げたい人にとてもおすすめです。
数学I・A・II・Bの内容を一通り学習し、教科書レベルの問題であれば解ける力が前提となります。
たとえば、「基礎問題精講」や「黄チャート」などの共通テストレベルの参考書を終えているのに、模試で計算ミスが多い、時間が足りないと感じる高校生におすすめできます。
主に中高一貫校の中学3年生や高校1年生が取り組むのに適しているでしょう。 鉄緑会内部では、中2から高1で計算力や処理速度を鍛える副教材として使われます。
これから数学I・A・II・Bを初めて学ぶ人や、たくさんの解法を覚えたい、難問を演習したいという人には向いていないので注意してくださいね。
2. どこまで到達できる?
この本を完璧にこなすと、基礎的な問題に対する圧倒的な処理能力と正確性が身につきます。
具体的には、難関大学受験に必要な「偏差値70超えが安定するような人が普通にやっている」レベルの処理速度や正確性が目指せるでしょう。
到達レベルとしては、共通テストで9割に届く基礎力を養うことができます。 ただし、網羅性は低いため、この本に載っている範囲は満点レベルで解けるようになる、というイメージです。
この本で土台を固めた後は、「一対一対応の演習」や「標準問題精講」といった次のステップの参考書に進むのがスムーズでしょう。

3. ライバル書との比較と注意点
この参考書は、一般的な「基礎問題精講」の強化版と位置づけられることが多いです。 「受かる計算」や「カルキューる」といった計算力強化に特化した参考書とも役割が似ていますね。
しかし、いくつか注意したい点があります。
ポイントは以下の3点です:
- 初学者には優しくない: 解説が丁寧ではないため、数学I・A・II・Bを初めて学ぶ人がいきなり使うと、つまずきやすいです。
- 網羅性は低い: 計算力強化に特化しているため、大学受験で出題されるすべての分野や応用問題の解法を網羅しているわけではありません。
- 時期が重要: 高校2年生以上になると、すでに持っている網羅系の参考書と内容が重複する可能性が高いです。
4. 挫折しないための進め方
この本の目的は、「基本事項を頭を使わなくても処理できるようになること」です。 短期間で集中的に取り組むことも可能です。
具体的な進め方は、次のポイントを意識してくださいね:
- 反復練習を徹底: 1回解いて終わりではなく、繰り返し解くことで、計算ミスをなくし、解答速度を上げましょう。
- 時間を計って取り組む: 各問題にかかる時間を意識することで、本番での時間配分能力も養われます。
- 毎日継続する: 一度に大量に解くよりも、毎日少しずつでも良いので、継続して「自動的に手が動く」まで練習することが大切です。
鉄緑会では「高速スパイラル学習」という、同じ範囲を学年が上がるごとに発展・実践形式で繰り返すカリキュラムを取り入れています。 この本も、その基礎固めの一環として、徹底的に反復して活用してください。
5. 「つまずきポイント」とその対策
この本で多くの受験生が陥りやすい「つまずきポイント」は、その「基礎力完成」という名前に反して、決して簡単ではないことです。 「基礎問題精講」の強化版という位置づけからも、そのレベル感がうかがえますね。
また、ひたすら計算力を鍛える内容なので、地味に感じて飽きてしまう人もいるかもしれません。
つまずかないための対策は以下の通りです:
- 焦らず段階を踏む: 数学I・A・II・Bの学習がまだ不十分だと感じる場合は、先に「青チャート」や「フォーカスゴールド」のような網羅系参考書で基礎知識を固めてから取り組みましょう。
- 目的意識を持つ: 「なぜこの計算練習をするのか」を常に意識し、ただこなすのではなく、「どれだけ速く、正確に解けるか」という目標を持って取り組みましょう。
- 他の参考書と併用: この本で計算力を鍛えつつ、他の問題集で思考力や応用問題の解法を並行して学ぶと効果的です。
新課程への対応について
「鉄緑会 基礎力完成 数学I・A+II・B」は、2015年11月27日に発売されました。
そのため、現在の版は2025年度以降の新課程には直接対応していません。新課程で追加された「数学C」の内容(ベクトルや複素数平面の一部、統計的な推測など)はこの本には含まれていません。
しかし、数学I・A・II・Bの基礎的な計算力や典型問題の処理能力を養うという目的においては、新課程でも十分に有効な一冊であると言えます。新課程の範囲については、別途対応する参考書で補完するようにしてくださいね。





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